専門用語
同一部位反復穿刺法
ボタンホール穿刺
と呼ばれる穿刺方法の一手技
先ず最初にスタッフの方による
通常針
を用いた穿刺が行われます.
次回より,
前回と同じスタッフ
の方が前回穿刺部の痂皮を(専用の針で)丁寧に剥がし,
ダルニードル
を用いて同一部位を穿刺します.
この作業を何回か繰り返す事で「固定穿刺ルート」が形成されたなら,いよいよ本人による穿刺(挿入)です.
ここで注意すべきは,最初の穿刺方向(腕の向きや,逆方向への皮膚の引っ張り具合,穿刺角度など)を患者自身が覚えておくことです.
私の記憶が曖昧なために,度々失敗していますから・・・ :p
自己穿刺開始・・・先ず,
返血側
血管の前回穿刺部位に出来た痂皮を取り除く作業です.
穿刺部位の廻りを消毒後,清浄なピンセット等
1)
で痂皮を丁寧に剥がします.
剥がした後は,穿刺部中心から外に向かって渦巻きを描きながら十分に消毒します.
2)
ダルニードル
を固定穿刺ルートに形成されたトンネルと同じ傾斜角で,沿わせながら挿入していきます.
血管に当たった感触を得た後,やや前に進めると微妙にくぼんだ部位に到達するので,そのままの角度で緩やかに押し込んで下さい.
「ストン」ととした挿入感が得られ,血液が
カニューラ
を伝って上って来た事(
逆血
と呼ばれる)を確認し,更に少しだけ挿入を進め内筒針(ダルニードル)を5mm程,抜きます.
所定長さ分の挿入後,内筒針を抜き取ります。この時,通常は逆流防止弁が付いた穿刺針を用いているので,血管を押し込んで逆流を防止する必要はありません.
ダルニードル
で血管に刺激を与えている事で
カニューラ
先端が詰まり易くなるために,専用の
注射器
で
ヘパリン溶液
を注入しておきます.
この時,同時に「痛み,浮腫」の無いことを確認します.
脱血側
の穿刺を同様に行います.
3)
脱血側
は直ぐに回路と接続しますので,
ヘパリン溶液
や生食での置換は行わなくても良いようです.
以上が「同一部位反復穿刺法」ですが,ダルの挿入が上手く出来ない場合は,早々に諦めて
通常針
の手技に切り換えましょう.
穿刺する部分は血管壁だけですので,痛みはそれ程ありません.
1)
当クリニックでは専用の穿刺針(18G)を使用
2)
当クリニックではポピドンヨード綿棒を使用
3)
私の場合は開始直後の
静脈圧
が高くなり易いため,脱血側→返血側の順で行っている.この方が良さそう! :)