目次
在宅血液透析を知る
教育開始
血液透析に関する講義
準備作業
穿刺
透析条件設定
透析開始
終了処理
個人用透析装置の扱い方
透析液の管理
もしもの時
?
手順
教育期間
在宅血液透析を知る
本サイトの「
関連リンク
」に掲載されている主要施設等で,教育用ビデオが販売されていますので,購入して雰囲気を味わっておくこと.特に「透析について」あまりご存じでない介助者の方は,一見の価値があります.
1)
直ぐに見たいというせっかちな方には,
在宅血液透析研究会
にビデオが載せられていますので,参考にして下さい.
在宅血液透析研究会の患者さん向けページ
に「在宅血液透析」とはどんなモノか詳しく案内されています.
少し内容が古いので実情には合わないかも知れませんが,最近では簡略化されてしまった内容も,非常に詳しく描かれていますのでおすすめなのが「
在宅血液透析ハンドブック
」です.少しずつ雰囲気になれていきましょう.
教育開始
いよいよ教育期間へ突入です.
施設によっては,教育期間を「入院して」実施するケースがあります.短期集中型とでも言うべき方法ですが,会社を休まなければならない,介助者に負担が多い等の弊害もあります.しかし,早く「教育期間」を修了(3週間が一応の目安)できます.
← 不確かな情報でした.
私がお世話になる施設では,通院しながら教育を受ける形になりますので,期間は2~3ヶ月程度掛かってしまいます.この方法は,施設から遠方の方には難しいでしょうね.公的機関の積極的な参加が望まれます.
患者と介助者を分けて,特に介助者に対する「集中講義」が行われるケースが増えているようです.患者は毎回,介助者は週末だけ訓練と言うケースもあります.
血液透析に関する講義
難しい話ではなく,本来の腎臓が持っている機能と働き,
血液透析
ではどういうことを腎臓に代わって行っているのか.と言うことを,簡単に教えて戴きます.どちらかというと介助者向きの内容ですが,勿論,患者本人も「初心に戻って」素直に耳を傾けましょう.・・・食事制限の話も有るでしょうから,きっと耳が痛くなることでしょう
私の場合は,施設側で用意して下さったビデオを見ながら予習,復習しました.
施設血液透析
では,スタッフの方がいろいろとアドバイスをして下さったり,患者同士の情報交換が有りますが,
HHD
の場合は情報が偏ってしまって,どうしても「自分本位」になってしまいがちです.
この時点での教育も大事ですが,常日頃から受入施設との情報交換を忘れずに・・・
あ,そうそう・・・このサイトも活用できるといいですね.
準備作業
以下の情報は,各施設により異なる場合がありますので,参考程度にとどめておいてください
.
準備作業としては,概ね以下の手順になります.
透析装置廻り確認
軟水化装置
2)
,
ro装置
,
ETCF
等の異常が無いことを確認します.
前もって,上記装置を含む透析装置を「暖機運転」しておきます.
ここまでの話は,むしろ
プライミング
,穿刺,抜針,終了作業に慣れてからになります.
水洗処理
透析装置の
水洗
を約30分行います.
用品準備
新しい生食バック,
ダイアライザー
,
血液回路
を用意します.
この時に,穿刺用の用品類も準備しておきます.
透析セット
,穿刺針,
鉗子
,消毒薬品,
強酸性水
3)
,18Gピンク針,止血用絆創膏,回路固定用テープ類,駆血帯,血圧計,体温計等を用意
ヘパリン
等の
抗凝固剤
を所定量用意しておきます.
プライミング作業
次の作業はまとめて
プライミング作業
で説明します.
ダイアライザー,回路取付
プライミング
透析液準備
透析液
の調整を行い,設定濃度
4)
に達するのを待ちます.
透析液循環
バイパス
状態で透析液のラインをセットして,
ダイアライザー
につなぎます.
バイパス
を外して
ダイアライザー
内を
透析液
が循環する状態にしておきます.
少しのタイムラグがあって,透析液の循環が始まりますが,この時に出来る限り「ダイアライザー内のエアー」を送り出すように操作します.
穿刺
私がお世話になる施設では「
ボタンホール穿刺
」と言う「穿刺ルートの固定」方法が取られます.ボタンホール穿刺にも「
バイオホールスティック
留置法」と「
同一部位反復穿刺法
」があり,使用される穿刺針にも「
ダルニードル
」や「
ダルAVFニードル
」,「
ペインレスニードル
」等があります.施設で確認しておきましょう.
バイオホールスティック
留置法は「
透析百科
」の31.3項に詳しく説明されています.
当サイトでは
同一部位反復穿刺法
のケースを説明しています.
透析条件設定
透析条件は前もって担当医と相談の上,決定されるものですから,勝手に変えたりしないように.下記設定条件も一例ですから,この大前提を忘れないで下さい.
qd
(透析液流量)は半固定になりますが,必要が有れば設定しておきます.通常は400~500ml/min程度
5)
でしょう.
qb
:
qd
=1:2程度が目安と言われています.
除水量を設定します.最近の個人機では
プログラミング除水
が出来ますので,除水ペースを最初は多く,徐々に少なくして血液粘度が異常に上昇するのを抑える事が可能ですが,通常は「
計画除水
」と呼ばれる方法にて手動で設定を徐々に減らす方法が取られます.何れにしても,
HHD
でお世話になることは無いでしょう.
温度設定は生理的な温度に合わせるべきだという意見もあるようで,私の場合は37℃の場合が殆どです.
6)
透析開始
脱血側
回路と穿刺部の接続
7)
を行い,透析機のポンプを100ml/min程度で廻します.
血液が
ダイアライザー
の8分目近くに達したなら,一旦ポンプを止め,
返血側
回路と穿刺部の接続を
空気混入
が無いように注意して行います.
ここまでの手技で,回路との接続を先に行ってからポンプを廻すのが一般的だそうです.ただ,その場合は「余分に」生食
8)
を体内に送り込むことになります.
この時,接続しておいた生食(+
ヘパリン
)入り注射器で,血液を吸い上げて
フィブリン
を取り除く作業を行っておくと,返血圧が異常に上がらなくて済む場合が多いようです.
透析を開始状態にして,
qb
(
血液流量_qb
)を徐々に設定値まで増量します.
返血圧
(
静脈圧_返血圧
と表示されている場合が多い)をモニターしながら,異常な上昇がないか確認します.
脱血側
(動脈側,Aライン)の
ピロー
(膨らんでいる部分)を見て,陰圧傾向にないか確認します.
各
チャンバー
の液位が正常な位置にあるか確認し,透析を続けます.
終了処理
個人用透析装置の扱い方
透析液の管理
もしもの時
もしもの時
へ
1)
毎年4月頃に開催される「在宅血液透析研究会」で無料配布されます
2)
軟水地域では不要ですが,設置するケースが増えているようです
3)
多くの施設では
ポピドンヨード液
を希釈して使用
4)
通常Na濃度に換算して135~143mEq/L
5)
欧米では700mlまでを標準としていますが,国内仕様の個人機では700mlが上限
6)
35℃等の
低温透析
が行われている施設があると聞きますが,恒常的な
透析不足
による対処療法ですのでお奨めできません
7)
クランプキャス
だと,この辺の作業がやり易い.特に
AVF
なら一人作業も可能!
8)
Na+濃度:153mEq/Lと高濃度