tech-term:ja:buttonhole_puncture
ボタンホール穿刺
血液透析では,血液を体外に取り出す為のルートを確保しなければなりません.
通常は先端が鋭利な金属針で血管を切り込んで,外筒と言われるカニューラを挿入するのですが,毎回新しいところを穿刺することで苦痛を伴いますし,希に「琴線に触れる」様な痛みを覚える場合があります.
ですから,在宅血液透析(HHD)を行うに当たって,患者が最も躊躇するのがこの「穿刺」と言う作業で,しかも殆ど「自己穿刺」を行うことになります.
この障害を無くす目的で考え出されたのが「ボタンホール穿刺」と呼ばれるものです.
ボタンホール穿刺は,同じ穿刺位置に毎回穿刺し続けることで,ボタンホール(ここで言うボタンとは,どちらかと言うとスナップボタンのような形状)を形成するという穿刺方法で,ボタンホールが形成されてからは,先端を鈍く丸められた「ダルニードル」や,棒状に加工された「ペインレスニードル」等が使用されます.
この「ボタンホール形成」もいろんな手法があって,私の知る限りでは
- バイオホールスティック留置法
- 最初は通常針穿刺を行い,透析終了後バイオホールスティックと呼ばれる小さなプラスチックの画鋲を留置する
- これを1〜2週間続けて確実にボタンホールを形成する
- ルートが確保されれば最初からダルニードルにて穿刺
私の場合は,
- バイオホールスティックが高価な割には,それ程確実ではない(形成し直す場合もある)
- ペインレスニードルは血管外壁上をスベリ易く,高価
- 慣れればダルニードルだけでもボタンホールは形成できる
と言う理由から
同一部位反復穿刺法 + ダルニードル
でボタンホール穿刺を行っています.
tech-term/ja/buttonhole_puncture.txt · 最終更新: 2023/05/05 17:42 by K.Y.