今日は,随分前から勝手に使ってる「zero式」透析量の目安をご提案させて頂きます。
数字の戯れの域を出ていないことはもとより承知していますので,その手のツッコミはご容赦を
この式のいいところは,直感的・・・それだけです。
zero式透析量:RW = {体重相当の血液を週に何回処理したか}
これだけです。体重に占める血液量を考えると,やれリンパ液だの組織液だのとややこしいので忘れましょう。
ま,考慮するかどうかは各自の自由としてもいいでしょう。この式の本質ではありませんから。
もう少し詳しく書くと・・・あ,[ml]=[mg]と比重までも「1」で済ませています。
RW[rev/week] = {QB x T x 60 x F} / {DW x 1000}
・RW:対体重換算回転数[rev/week]
・QB:血液流量[ml/min]
・T:透析時間[h/回]・・・x 60[min/h]
・F:透析回数[回/週]
・DW:体重(ドライウェイト)[kg]・・・x 1000[ml/kg]
例えば,体重60kgの人が週3回,4時間透析を血流量200で行った場合
RW = {200 x 4 x 60 x 3} / {60 x 1000}
から,この人は2.40RWと表現します。
この流量,時間,回数は「標準透析量」らしい。つまりこの式を使う事で,体重差の影響を強調することができます。面白いでしょう・・・
体重40kgの人と,80kgの人で比較してみましょう。
体重40kgの場合・・・3.60RW, 体重80kgの場合・・・1.80RW
どうです? ピンとくるでしょう。
同じ透析条件では,体重差が大きいほどその効果に差が出る。血液流量,時間,回数だけで「標準透析量」などと言えないことがハッキリしてますよねぇ・・・それをRWで表現するのです。
ですから,時間と回数に経済的,人的制約のある施設透析の場合は血流量を触るしか無いと言う事の裏付けでもあるわけです。HDFも高血流量に対応しやすい選択肢だと思います。
60kgの人が,40kgの人と同じ透析量を得るにはどうすればいいのでしょう。
式を見れば簡単に出てきます・・・そう,1.5倍の300ml/minの血液流量を確保すればいいことになります。・・・この式とは関係なく当たり前と言えば当たり前なのですが,世の透析医療界はそうではないらしいですよ。
血液流量,時間,回数の単純な比例関係式ですから,時間を,回数を1.5倍にするのは・・・施設ではほとんど無理です。実施されている施設,ほんとにスゴイことだと思います。
80kgの人なら倍のQB=400。 こんな数字,以ての外と言われそうですねぇ。
この式は「体重」視点ですので,これにHDP:Hemo-Dialysis Product を加味すれば鬼に金棒ですね。
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