手順
準備段階
本人の意志
現在の医療体制では,HHDに移行するには先ず,患者自身が強い希望を持つことから始まります.
生半可な気持ちで初めても,廻りが迷惑するだけです.もちろん,HHDが当たり前な世の中になれば,もっと「安易」に始められると思いますが,今のところ「本人の気持ち次第」と言う事情はやむを得ないところです.
受入施設
次にHHDの指導およびフォローをして戴ける「施設」を探します.ここのメニューにも掲載していますが,実際にはもっと多くの施設が対応してくれると思います.(希望的観測 )
「近くに受入施設が無い」からと言って悲観することはありません。どこの施設でも
「月1回~2回」の来院が可能なこと
が条件であって,かなり遠方の方が大きな受入施設でお世話になっているケースが実例として有ります.例えば愛知県の場合はその半数が県外の方ですし,大阪府の場合もその1/3が府外の方です.
介助者の存在
忘れてはならないのが「介助者」の存在です.
長期にわたって「介助」して戴ける方がおられないことには,患者だけでは難しい面が多々あります.
特殊な事例では患者だけでHHDと言うケースもあるそうですが,一般の患者ではまず「無理」と思って下さい.
通常は「家族」若しくは患者グループが「看護師」にお願いする事になります.
一人の患者が「看護師」さんを占有することも可能でしょうが,費用面で不可能に近いことだと思います.・・・と言うか,占有しないで下さい.
「看護師」にお願いする例は「グループ型HHD」1)とも言うべき形態ですので,別の機会に譲るとして,ここでは「個人患者」のケースで説明を続けます.
環境整備
実際に透析が出来るスペースの確保が出来るかどうかは悩むところですが,既にHHDを実践されている方々によると,ワンルームマンションでも可能だそうです.
最低限,専用の電源と水配管の工事が必要です。最低でも2万円程度,場合によっては20万円程度と想定されます。この差は,部屋の位置関係や業者間の相違によります.2)
排水は洗濯機の排水溝につなぐ等して工夫できます.3)
清浄水製造ユニット(RO等),個人透析装置等を置くスペースが,余裕を見て1畳程度,患者用スペースが1畳として,概ね2畳程度を確保して下さい。理想は6畳間です.
「畳」と書きましたが,装置類は安定性から畳ではなく「フローリング」がベターです。この工事も行うとすると,50万以上を覚悟!・・・エアコンまで考えると・・・
ベッドにするかリクライニングチェアにするかで悩むところですが,私は&htmlinsert(rak-afl-2.html);と&htmlinsert(rak-afl-3.html);を購入しました. :)
申し込みと打ち合わせ
さあ,本人の意思も固まり,介助者の協力(説得 ⌣)も戴けることになったとして,続いて正式に受入施設へ申し込むことになります.
勿論最初は電話等で様子をお伺いすることになりますが,施設の指定日に合わせて打ち合わせに入ります.
本人だけでもいいのですが,できれば介助者と一緒に受入施設へ訪問しましょう.
訓練中の透析も受入施設で行うことになりますから,出来れば施設内も見学させてもらうと,雰囲気が伝わっていいかも知れません.
スタッフの方々との打ち合わせがあると思いますので筆記用具などを片手にメモしていきます。結構,専門的な言葉が出てきますので,機会を見て質問しておくことも大切です.(とは言え,舞い上がって何も聞けませんが・・・[実体験])
現施設とのお別れ
受入施設との打ち合わせも終わり,無事日程計画も整った段階で,現在お世話になっている施設に在宅血液透析へ移行する旨を伝えます.看護師長や担当医へ確実に伝わるように.
現施設での最後の透析日までしっかり透析をし,スタッフの方々へのお礼も忘れずに.
通常の転院時と同じ事ですが,腎友会等の患者会に入っておられる方は,そちらの手続きも必要です。会長さんに連絡して,処理しておきましょう.
さぁ・・・・,後は受入施設での教育期間が始まるまで「しっかり食べて,しっかり透析し,しっかり運動」しておきましょう。体調管理を万全に。 ;)