透析フロンティアseries5

この記事は約1分で読めます。

在宅血液透析のことが特集されていたので,先日Amazonから「透析フロンティアseries5」を取り寄せてみました。

過去の特集記事をまとめたという形で,副題が「透析療法における様々な疑問に答える」とあります。

結構,多岐に亘った内容で,殆ど理解できずにいますが,米国の短時間透析普及による治療成績悪化の経緯や,長時間透析の効果に興味を持って読ませていただいています。

ただ,十分な透析は必要だ・・・しかし,血流量を多くするにも限界がある,とは書かれていても,では実際にはどの程度まで血流量を上げられるか?と言った考察は無いようです。

血流量アップは限界があるから,時間を長くしましょう,しかし経済的な理由から困難な場合が多い・・・?などと言われてもねぇ・・・

あっ!肝腎のHHDに関する記事・・・ただいま熟読中 :)

コメント

  1. zero より:

    Kt/Vは道具であって,目的ではない!・・・道具になり得ても,目的化してしまうと本質が見えなくなる。ってことですね。 :p

  2. kusakari より:

    ま,一応,長期予後に関連する因子としてのKT/Vですから,疫学的意味は無いわけではありません.

    かもめの金田先生,kt/vの話なんかされませんし,データもおそらくそんなに頻繁には取っていないでしょう.それはそれで一つのあり方です.

    長時間すれば,KT/Vの因子は余り関係ないと言うことでしょう.

  3. zero より:

    いつも「ズバッ」とした切り口,恐れ入谷の鬼子母神・・・

    Kt/V至上主義が高じて,Kt/V/tが高い透析(短時間・高流量)を続けたために,予後が悪くなったと言うところだと思います。

    仰るように,Kt/V/tが小さくなるまで「長時間」行うのが正しい処置だったのに,Kt/Vさえ大きければよいと早合点したんでしょうか?

    勿論,Kt/V/tが大きいからいけないのではなく,大きい時点で「Kt/V」だけでうち切った短時間透析が悪いんだ。と言うことですね。

    どんな治療にしても,目的が何であるかを見失ってはいけない。と言う教訓か?・・・この場合,患者の「元気度,顔色」等を見ずに一部の「データ」だけに固執した,つまりデータを目的としてしまった。

  4. kusakari より:

    kt/t/tの話も眉唾じゃないかな?

    例えば,血流400で5時間やれば見かけ上のkt/v/tは 低くなりますよ.
    でも,0?3時間のところで切り取ってみれば無茶苦茶大きなkt/v/tになっているわけです.

    つまり,溶質は「濃度の高い最初に除去される量が多い」ので 短時間にするほどkt/v/tは 高くなる.

    同じ設定で時間を延ばすと総透析量は増えるのに見かけ上のkt/v/tは下がる.

    結局,kt/v/tが高いのが問題なのではなくて 治療時間が短い事と「透析量」が少ない事が問題なのですよ.

    こんな事,例えば数学や理科の問題に設定すれば,中学生でもわかるんじゃないのか?

    アメリカの教訓は「短時間がいけない」の一つであり,kt/v/tが大きいのがいけないというのは「こじつけ」に過ぎないと思いますよ.理論的整合性が全くない.
    なのに,どうでも良い方のkt/v/tの方が「有名」になるのは何故?

    施設側は 時間延長をする事よりも (血流を上げずに) 緩い透析を「死守」する方がコストが上がらないし,患者を注視するひつようもないし,まあ,努力する必要が無いからでしょうね.

  5. zero より:

    頻度>時間>効率

    効率:ダイアライザークリアランス,血液流量,透析液流量

    時間延長がいいのは判っていても,拘束される時間は少ないほど有り難い,と思うのも患者の心理で,恐らく一般的な透析:200ml,4時間,週3回を受けている患者に「今日から5時間にします」といっても文句だらけでしょうね。「週4回コースが新設されました」など「無視」するかも。

    しかし,生命予後のグラフを控え室に張り出しておけば,我先にとなるでしょう。こういう情報開示が全然出来ていないように思います。

  6. zero より:

    kusakariさんとこのデータを見させていただいていると,(特にHDFとHDの比較ですが)如何に高流量で効果が出るかがよく判ります。

    高流量で廻せば,HDFでなくても高透析は可能だということ。

    HDFは,HDで高流量についていけない時期の患者に対して,スムースに移行できる処置だと言うこと。

    この書籍で判ったことですが,そもそも「高流量で廻せば短時間でBUNが減らせる」と単にKt/Vを高くすることだけを目指した結果,米国の生命予後が悪くなっていったと言う一面をとらえて「高流量:危険」と言う先入観を持つに至ったのでしょうが,問題は「(Kt/V)/t」を高くし過ぎた事にあるわけで,高流量は体調等を含めた総合的な観察の結果行えば,透析が充分に行えて生命予後も良くなる・・・と言う結論が導き出せそうに思うのですが・・・

    単純に,同じ時間透析するなら少しでも「高効率」な透析を受けたいと思うのは,当たり前の心理だと思うんですけど・・・

  7. kusakari より:

    女性でも400ml/minの方が二人います.

  8. kusakari より:

    血流量の限界?

    体重比でトップの人は 400ml/minで50kgの方ですね(70歳,男).